Merauke Integrated Food and Energy Estate(MIFEE)のために伐採されたパプアの広大な森林地帯。 写真:GRAIN、2016年国際ネットワークが発表した資料によると、ボルネオ、スマトラ、パプアの島を対象にしたインドネシアの新しい食糧基地プログラム(Food Estate Program)は先住民の主権、森林、多様性を脅かし、飢餓と気候危機を引き起こすことになる。さらにこのプログラムは世界有数の生物多様性の生息地に危機をもたらすだけでなく、土地収奪や人権侵害ももたらす。しかし、すでに軍はボルネオのカリマンタン地帯でこのプログラムを進めている。インドネシア政府はこのプログラムがインドネシアの食糧危機とコロナによる経済問題の解決策になると考えているが実際は問題をさらに深刻化させることになる。政府の計画は未だ中身が見えず、国際ネットワークは以下の範囲で影響を及ぼすと予測している。ブルネオの中央カリマンタンの770,000ヘクタールパプア(ニューギニア)の2,000,000ヘクタール ※ベルギー国土の半分に値する北スマトラの32,000ヘクタールに加えて南スマトラで計画されている地域このプログラムのリーダーはインドネシアの国防大臣プラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)氏である。彼は民主運動家を誘拐し拷問したことで軍籍を剥奪された過去を持っている。2004に農地改革が行われはしたが、軍がアグリビジネスや他産業を通じて自己資金を調達することに利用されてしまった。2020年には輸出許可に関わる汚職事件で海洋水産大臣のエディ・プラボウォ(Edhy Prabowo)氏(国防大臣プラボウォ・スビアントが党首のグリンドラ党メンバー)が汚職撲滅委員会に捜査され逮捕された。国際ネットワークはプログラムには透明性と責任能力がないということをプログラムに投資しようとしている金融機関に訴えている。パプアで行われたメガライスプロジェクト とメラウケ食料基地開発計画(2010 Merauke Integrated Food and Energy Estate (MIFEE) )は約束した成果をもたらさずに悲惨に終わった。このようなインドネシアの食糧基地計画の歴史から学ばなければいけないのだが大きな環境破壊と人権侵害をもたらしたこれまでのプロジェクトが新たな食糧基地プログラムとして2021年以降も繰り返されることとなる。コミュニティの土地と森林を工業農地に変えることはエコシステムを破壊し、インドネシアの先住民の暮らしを犠牲にすることとなる。地域コミュニティと市民社会組織はこれまでの歴史から結果は見えている。自然の一部と考えている先住民にとって森林は物理的にも精神的にも重要である。森林破壊は先住民の存続を脅かし、食糧基地は小規模な地域の食糧生産者の主権を奪うこととなる。これらのプロジェクトは地域の人々、食文化、食糧消費構造を破壊することになるため金融機関は食糧基地への出資を取り下げる必要がある。.レポートの詳細リンク ( 英語 )